遺産相続は「ちょっとずつ」もらうほうがいい


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遺産相続には多額の相続税がかかる…という話は皆様も聞いたことはあるはず。もし莫大な遺産が入ってくるのが予想されるならば、ちょっとずつもらう方法があることはご存知ですか?本記事では遺産相続で知っておいてほしいことを紹介します。

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1.ニュースでよくみる脱法事件

毎年「脱税で追徴課税」というニュースをよくみます。ここでいう脱税とは「税金をきちんと払わなかった」という意味ですが、その多くは商売をしていて利益が予想より多くなり、所得税がかかるのを嫌がって会計をごまかす…というものが多いのです。

相続の場合も「相続税法違反」で追徴課税される人が時たまいますが、その多くはオーナー企業の経営者遺族などや土地資産家の遺族などに多く見られます。

これらの人たちの多くは、全員が最初から脱税しようと考えていたのではありません。原因は「申告漏れ」。つまり、日本の場合は税を納める側が「遺産はこのくらいありましたから、この金額を支払います」と、申告します。これを見て、税務署は適正かどうかを判断するのです。

2.一度に大きな資産が入ると、相続税の高さに愕然とする!

日本の相続税は「一代で築いた財産を、三代目でゼロにする」とまでいわれています。

ここで単純に相続税額の計算をしてみます。

相続した財産はそのまま相続税の対象額(課税価格)になるわけではなく、控除を引いたり、葬儀費用や借金を相殺し、土地所有に宅地があった場合はその分の特例減税などを除いて、最終的に課税価格として評価されます。父が亡くなり、母と子供2人が相続した場合、母は配偶者控除があるために相続税がかからないのが通例です。

仮に課税価格が1億円の場合、母が5,000万円を相続し、相続税額は0です。すると子供2人は、2,500万円ずつ受け取り、相続税額は合計315万円です。

では課税価格が3億円の場合はどうでしょうか?

まず、母が1.5億円を相続し相続税は0。子供2人は7,500万円ずつ受け取り、合計2,860万円の相続税額となります。

問題はその次のパターンです。

父の後に母が亡くなった場合、母親の遺産を相続することになるわけですが、上記の2番目の例を用いてみましょう。

つまり、課税価格は1.5億円、相続人は子供2人だけで配偶者控除がない、というケースです。

この場合、子供2人は7,500万円ずつ受け取り、合計の相続税額は1,840万円。つまり、2回の相続で子供たちは、なんと4,700万円もの税金を納めなければならないことになります。


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3.課税価格は「合算」である

相続税額が500万円、1,000万円ともなると、一時的に一括で支払うのは大変…ということもあるでしょう。場合によっては遺産が株式だった場合は、証券会社に売却してもらうことで現金化する必要が出てきます。

問題なのは土地の場合。例えば旗地(はたち)と呼ばれるL時型の土地があります。元々100坪の道路に面した土地を、道路から手前に50坪、奥側に50坪と分けた土地です。この場合、奥に家を建てるには手前の家の土地を横切る通路が必要になります。この通路が旗竿の竿に見えることから、旗地と呼ばれています。

旗地を相続してしまうと、これを子供2人で分割ということは、また新たに通路が必要になります。結果的に分割したくても、狭くてできないことから、子供2人のうち1人は相続放棄してしまうことにもなりかねません。こういうことになる前に、遺族は生前から少しずつ財産を分けてもらうのが賢い道ともいえるでしょう。

例えば、預貯金が多くある場合、生前から子供の口座に現金を移しておきます。これを生前贈与といいますが、1年間に110万円までの金額を贈与しておきます。
110万円は贈与にかかる税金「贈与税」の最大控除額。つまり、1,000万円を10年に分けて分割贈与しておけば、自然とお金は子供の銀行口座に行き、それは相続税の対象にはならないわけです。

もちろん、銀行で口座を作るときには子供本人を連れて行かなければいけませんから、子供は毎年親からお金をもらう(小遣いをもらう)感覚で貯金している、と理解させることが必要です。

4.遺産にする前に、生前からお金を少しずつ分散する

遺産相続で一番困るのが「預金」です。なぜなら、銀行預金は1億円なら1億円の価値が誰にでもわかってしまうからです。

ですが、もし株式だったり国債や社債、あるいは投資信託といった金融商品の場合はどうでしょうか?

結果的に相続人が複数あれば「私は現金より株のほうがいい」「社債の分をもらうよ」と選択肢が広がります。時価総額5億円の土地建物一つよりも、1億円分の株式や社債、あるいは生命保険金の方が相続でモメずに済むことが多いのです。ですから、もらう方も意識をして税金のことを頭に入れておくことが大事なのです。

あとがき

遺産相続で困る人の多くは相続税額の支払いです。それを考えて、生前から資産を様々な形に分割してしまうことも必要です。相続税ではなく贈与税を控除額を使うことで、将来の相続税額を抑えることもできるのです。以上「遺産相続は「ちょっとずつ」もらうほうがいい
」でした。ここまでご覧頂き誠にありがとうございました。

投稿者:

endo

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投資・資産運用・貯金についてレポートしています。 保険会社に勤めていた経験を生かして皆様のお役に立てる情報をお伝えしていきます。